■ダイニー アリスインタビュー■

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RUKADEN Produce R4 [はなはどこへいった]
榴華殿@八幡山のある稽古場 ((聞き手・構成 李知映(イ・ジヨン))

榴華殿代表である作・演出の川松理有さんとの久しぶりの再会。彼は相変わらず素敵な微笑で温かく迎えてくれた。インタビューを行った日は、ちょうど台本が最後まで出来上がったようで、稽古場はワクワク感いっぱいの風景だった。
その中で、インタビューは行われた。

 ―榴華殿はAlice Festivalに長年参加されていますが、最初に参加するようになったきっかけについて教えてください。
川松理有
川松 榴華殿の前に、1990年から、浪漫伝という劇団の代表・演出を務めていました。初めてタイニイアリスで上演した公演の直後、タイニイアリスのオーナーである西村さんから翌年のAlice Festivalに招待されました。当時のAlice Festivalは若手劇団登竜門として名の高いもので、認められた劇団しかAlice Festival出られない、という感じでした。劇団浪漫伝は当時、西村さんの恩師であった早稲田大学の名誉教授 郡司正勝先生がたまたまご来場し、気に入られたようで、郡司先生の推薦でAlice Festivalに招待されることになったのです。
 
 ―25年間、タイニイアリスと長く関わりながらタイニイアリスはどのように変わったと思いますか。

川松 劇場が海外から劇団を招へいすることになってから、国内劇団の公演と並行して海外劇団の公演が多くなってきたと思います。印象的だったのは韓国の演出家イ・ユンテクさんの「サンシッキム(산씻김)」の上演からだと記憶しています。その後、多くの外国の劇団がAlice Festivalに招へいされました。

―海外から多くの劇団が来ることによりAlice Festivalの性格も少し変わっていったかもしれませんね。それについて思うことはありましたか。
 
川松 タイニイアリスをきっかけに、うちの劇団も海外との交流が増えてきたので、自分たちがやっているものが世界の中でどのような位置づけにあるか、分かってくるようになりました。また、タイニイアリスを通じて海外での公演も多くなりましたし、よい刺激になったと思います。

―“交流”の話になったのでちょっと言うのですが、私も、タイニイアリス小劇場(とりわけ、この芝居の出演者である森田小夜子さん)を通じて、川松さんと出会ったんですよね。それから、榴華殿の芝居に3回ほど出演させていただきましたし。
私を含め、韓国や台湾など外国の役者さんと一緒に芝居を作っていく上での面白さとか苦労したことについて教えてください。

川松 それぞれの国でやってきた演技訓練というのも全然違いましたし、言葉が通じない時もありました。そのような違いを作品の中にうまく取り入れながら作品づくりを心がけてきました。それが私にとって一番面白い経験だったと思います。
苦労ですか……、苦労はあまりしていません。経済的に大変なのは交流&共同公演じゃなくてもいつものことなので、苦労とはいえません。逆に、海外から来た方が日本語を覚えたりして、反対に彼らが苦労したかもしれません。(笑)なので、日本人の役者を含めて皆は苦労したかもしれないけど、振り返れば私にとっての苦労はあまりなかったように思います。

久保庭、森田森田 国際交流公演をする際、役者として、どのようにコミュニケーションすればよいのかと、いつも考えていました。しかし、最終的には過剰なコミュニケーションをとらずに普通に接する方がよいと思うようになりました。というのは、通じないからこそのおもしろさや、国が異なるからこそ価値観が異なる緊張感など、それらが芝居に反映されて面白くなると気づいたからです。

久保庭 多くの国際交流公演の経験があるので、あまり戸惑いはありません。ただ、日本人だけの作品を作っていく時よりは、自分が思うことをもっと口にして話ししなければならいことが多いですね。

―それでは、本公演に関する話をしたいと思います。チラシを拝見すると、produce R4公演と名乗っていますが、どのような意味でしょうか。

川松 プロデュース公演はもともと劇団メンバーだけの公演とは異なる、いろいろなところから呼んできた役者さんと一緒に公演するときの名称です。そのプロデュース 公演の四回目という意味です。2003年「月下美人」(R1)、2004年「のら猫」(R2)、2013年「跫(あしおと)/不完全犯罪」(R3)、そして今回が四回目のプロデュース 公演(R4)です。

―あなたにとって、劇団公演とプロデュース公演の違いはありますか。

川松 実は、現在はその違いは……あまりありません。最初のプロデュース公演の時には初めて一緒に作品作りをする役者もいたため、劇団員だけで公演するときとは違う感じもしましたが、今はもうプロデュース公演に何度も出ている役者もいますので、最近は違いを感じなくなってきました。

―2010年、日本-台湾-韓国の三ヶ国合同公演「のら猫たちは麗しの島をめざす」の中で、タイニイアリスの丹羽さんと西村さんを思い浮かばせるような(知る人は分かるような)劇状況がありましたが、今度の作品ではまさか、西村さんご自身が特別出演として出るんですね。それはどのような意図でしょうか。

川松 「のら猫たちは麗しの島をめざす」の場合は、榴華殿がまさにタイニイアリスを通じて海外に進出したルート(プサン、台湾、香港)を、そのまま描きながら物語化した作品です。その中で、丹羽さんと西村さんを現実そのままの立場として劇場主という役にし、他の役者さんが演じました。が、今度は実際にご本人を出してみようと思い、挑戦しているところです。役のイメージはいつもの西村さんの姿です。(笑)

―チラシの表に綺麗な人形が写っていますが、川松さんの作品の中に、演出上人形がよく使われていますね。今度の作品にも人形が出るんですか。川松さんにとって人形とはどのような存在でしょうか?

川松 今回の作品には人形はでません。若いころは人形が自分を映す鏡であると考えていました。しかし、今は自分とは違う客観的な存在として考えています。

―作品の中に、花畑、花が出てきますが、そういえば、以前の芝居でも出てきたような気がしますが、特に花に関する思い出があるのでしょうか。意味付けとか。

川松 あまり考えた事がないんですが、特に意味はありません。

―今回はお婆さんたちの冒険のお話ですが、「のら猫たちは麗しの島をめざす」もそうでしたが。映画にロードムービーというジャンルがありますが、いちおう名づけるとすれば「ロード芝居」。そんな感じの作品になっていますね。

川松 確かにロードムービーは好きです。今回の作品は一晩だけの冒険です。冒険する場所が劇場であり、そこをタイニイアリスの空間のような劇場だと設定しました。そこで勝手に遊んでいるわけですね。

今回のモチーフとなった「花はどこへ行った」という歌がありますが、この歌は歌詞が特殊で、巧妙に歌がつながっています。作品のセリフもその歌詞のように、ずっとつながっている感じを出したいと思いました。それが今回の作品のコンセプトのひとつでもあります。またもう一つ、ある日、レストランでご飯を食べている時に、古い曲「One Way Ticket to the Blues」が流れていたので、そのような感じの古臭い作品を作ってみようと思いました。

―お婆さんの姿もあれば、若い姿も見せているので演じるのに大変なことはありませんか。

久保庭 あまりお婆さんのことを気にせずにやっています。

森田 私にとっては大変ですね。お婆さんを演じるのに声よりは言い回しが大事だと演出は言いますが……、言い回しもそうですが、若い時の声の作り方もに気をつけています。

―今回の作品を通じて観客に送りたいメッセジーは。

川松 ……人生ってばかばかしいけど、ま、楽しいね。と思ってくれれば良いと思います。

―今後の劇団の活動について教えてください。

川松 できればいつか、タイニイアリス賞をいただいた『REM』をもう一度やりたいですね。タイニイアリスで是非やりたいと思っています。また、「REM」は台湾と香港で上演したことありますが、韓国でも是非やってみたいと思います。

森田 『REM』ですか……。今は難しいかもしれませんね。体力と気力がなくなってきていますので……(笑)

―本番はちょうど東京にいないため拝見できませんが、ご成功を願っています。ありがとうございました。

(写真:上 RUKADEN主宰 川松理有  下 左 久保庭尚子 右 森田小夜子)

公演チラシ
RUKADEN公演チラシ表 rukaden公演チラシ裏
作/演出:川松理有
出演:久保庭尚子、森田小夜子、かやべせいこ、小澤凌、西村博子(特別出演)
上演;2014/11/21〜24
劇団サイト:http://www.rukaden.com
 

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